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十四誹謗(じゅうしひぼう)

14種の法華経誹謗のこと。法華経譬喩品第3に基づく説で、『法華文句記』巻6下で引かれている。「松野殿御返事」(1382㌻)で挙げられている。
憍慢(おごりたかぶって仏法をあなどること)②懈怠(仏道修行を怠ること)③計我(自分の考えで教義を判断すること)④浅識(浅い知識に執着して正法を批判し、求めようとしないこと)⑤著欲(欲望に執着して仏法を求めないこと)⑥不解(正法の教えを理解しようとしないこと)⑦不信(正法を信じないこと)⑧顰蹙(顔をしかめて正法を非難すること)⑨疑惑(教えを疑い惑うこと)⑩誹謗(正法を謗り悪口を言うこと)⑪軽善(正法を行ずる人を軽蔑すること)⑫憎善(正法を行ずる人を憎むこと)⑬嫉善(正法を行ずる人を妬むこと)⑭恨善(正法を行ずる人を恨むこと)。
同抄では「此の十四誹謗在家出家に亘るべし恐る可し恐る可し」(同㌻)と述べられている。また、「念仏無間地獄抄」で「譬喩品十四誹謗も不信を以て体と為せり」(97㌻)と仰せのように、十四誹謗の根本原因は妙法を信受しないことにある。▷謗法