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禅天魔(ぜんてんま)

四箇の格言の一つ。日蓮大聖人禅宗のことを「天魔の所為」(「撰時抄」287㌻、「報恩抄」322㌻など)と仰せである。禅宗は仏法を破壊する天魔の振る舞いであること。当時の禅宗大日能忍の日本達磨宗、栄西の臨済宗の禅が広まっていた。禅宗は不立文字・教外別伝・直指人心・見性成仏の義を立てている。すなわち、経文は月をさす指であり、月(成仏の性)がとらえられれば指には用がないとした。これに対し大聖人は、禅は天魔の振る舞いであると批判された。釈尊涅槃経巻7で「願わくは心の師と作りて心を師とせざれ」と説き、また「是くの如き経律は、当に知るべし、即ち是れ如来の所説なり。若し魔の所説に随順すること有らば、是れ魔の眷属なり」と説いている。故に「禅天魔」とされたのである。