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普経(ふきょう)

三階教の開祖・信行がつくったとされた経典。信行は第3段階の衆生邪見をなくすためには、あらゆる仏・菩薩・経典を差別なく尊重する普遍的な仏法(普法仏法)が必要と説いたが、「普経」といった経典はつくっていない。一方、三階教から「別法仏法」として非難された浄土教の人々は、「三階教の主張からすると、釈尊は第3段階の衆生のために『普経』を説いて、彼らを救ったことになるが、そのような経典は説かれていない」と批判している(懐感『釈浄土群疑論』巻3)。日蓮大聖人の時代には、三階教の実態がすでに分からなくなっていたため、信行自身が「普経」をつくって、他の仏教を非難したというように伝承されていたと思われる。▷信行