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李広(りこう)

?~紀元前119年。中国・前漢の将軍。武帝に仕え、射術に優れており、漢飛将軍・石虎[せっこ]将軍とも呼ばれた。匈奴[きょうど]討伐や国内治政に多くの功績があり、匈奴からも恐れられるほどの勇名をはせた。部下思いの名将でもあった。「四条金吾殿御返事(石虎将軍御書)」(1186㌻)では、李広が「石虎将軍」と呼ばれるに至った故事を引き、四条金吾が強盛な信心に立てば必ず諸天善神から守護されると激励されている。すなわち、弓矢の名手として名高い李広将軍は、一頭の虎に親を殺された。ある日、その虎が草むらにうずくまっているのを見つけた。そこで「これこそ親の仇の虎だ」と、仇討ちの一念に燃えて矢を射たところ、見事に命中した。「遂に仕留めた」と駆け寄ってみると、なんと虎ではなく、形のよく似た石であった。しかし、矢はその硬い石を貫いて羽まで突き刺さっていた。その後、矢を射ても石に刺さることはなかったという。