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白烏の恩(はくうのおん)

白烏に対する報恩のこと。白烏は白いカラスのこと。章安大師灌頂『観心論疏』巻1に説かれる。昔、戯れて草の上に寝ていた王を、蛇が咬もうとした時、白烏が飛んで来て王を突いて起こし、危険を知らせた。王はこの恩に報いようと臣下に白烏捜索の勅を下したが、発見できなかった。そこで王は白烏のかわりに黒烏にその恩を施したという。「祈禱抄」(1352㌻)では、諸菩薩や諸天らは法華経によって初めて成仏の道が開かれたのだから、その恩に報いようと法華経の行者守護する誓願を立てており、よって法華経の行者の祈りがかなわないわけがないと仰せになっている。白烏を法華経を説いた釈尊黒烏末法の法華経の行者である日蓮大聖人とその門下に譬えられている。