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餓鬼界(がきかい)

餓鬼の世界。餓鬼が味わう苦悩の境涯。古代インドにおいて餓鬼はもともと「死者」を意味し、常に飢えて食物を欲している死者の世界をさした。「観心本尊抄」には「貪るは餓鬼」(241㌻)とあり、われわれ人界にそなわる餓鬼界は、貪るさまにうかがえると示されている。これに基づいて仏法の生命論では、とどまるところを知らぬ激しい欲望にとらわれ、それが満たされず心身ともに苦悩する生命状態を餓鬼界とする。