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アショーカ王(あしょーかおう)
生没年不詳。在位は紀元前268年~前232年ごろとされる。古代インドの王。漢訳では阿育などと音写し、無憂と訳す。王は自らを天愛喜見王とも称した。
マガダ国を根拠地とし諸王国に分裂していたインドを統一したマウリヤ朝の第3代の王。最初は「暴虐阿育」と呼ばれるほど残虐であり、即位に際して兄弟と争ったという。即位9年目に東南インドのカリンガ地方(現在のオリッサ地方)を征服し、南インドの一部を除く全インドをほぼ統一した。カリンガ征服では、約10万人を殺害し、さらに約15万人を捕虜にしたという。王はこの事件の2年前に仏教に
帰依していたようだが、この惨状に深く反省し、より深く仏教を尊崇するようになり、諸宗教とともに仏教を保護した。その後、王は武力による征服をやめ、法(ダルマ)による支配を根本とした。また辺境の民族や外国人とも親しく交渉をもち、シリア・エジプト・マケドニア・南インド・スリランカ・カシュミール・ガンダーラなどの諸地方に使節・伝道師を派遣した。