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化城宝処の譬え(けじょうほうしょのたとえ)

法華経化城喩品第7に説かれる譬え(法華経309㌻以下)。大勢の人々が500由旬という遠い道のりをへて、宝物のある所(宝処)へ行こうとした。その道中は険しい悪路であり、人々は疲れきり引き返そうとした。その中に聡明で智慧のある指導者がいて、彼は人々をあわれに思い、300由旬を過ぎたところに神通力によって一つの都市(化城)を作り出した。これを見て歓喜した人々は、その中で休息し、これが自分たちが目指す宝処であると思い込んだ。この様子を見て指導者は化城を消滅させ、宝処はもうすぐであり、この大きな都市は人々を休息させるために仮に作ったものに過ぎないと言って激励し、再び宝処を目指して出発させたという。この譬えにおいて、指導者とは仏、化城とは爾前経による涅槃、宝処とは法華経による真実の涅槃成仏)を表す。