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摩耶経(まやきょう)
摩訶
摩耶経[まかまやきょう]のこと。
中国・南斉の曇景[どんけい]の訳。2巻。
釈尊が生母である
摩耶夫人の恩を報ずるために
忉利天に上って説いたとされる。後半では、
釈尊滅後1500年までの法を広める人の出世年代・事跡などが記されている。
竜樹の出現する年数について、
「開目抄」では「我が滅後・六百年に
竜樹菩薩という人・
南天竺に出ずべし」(203㌻)とされ、
摩耶経の原文「七百歳已。有一
比丘名曰龍樹」とは異なる。これは、流罪中の経典の乏しい状況下で執筆されたからであると考えられる。一方、身延で執筆された
「報恩抄」では「正く
摩耶経には六百年に
馬鳴出で七百年に
竜樹出でんと説かれて候」(327㌻)と、経文どおりの記述がなされている。