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求羅(ぐら)

迦羅求羅[からぐら]の略。仏典に出てくる想像上の生き物。迦羅はサンスクリットのカラの音写と考えられ、黒虫と漢訳される。語源に諸説あり、中央アジアの砂漠地帯で風によって大きくなり、日光をさえぎり暗黒をもたらす砂嵐をつかさどる生き物をいう説がある。また古代中国では、虫は生き物を意味し、風や雨など気象をつかさどるものと考えられ、トカゲなどの爬虫類や竜などの類いとする説などがある。『大智度論』巻7には「(求羅の)身は微細だけれども、風を得れば、たちまち大きくなり、すべてを飲み込む」(趣意)とある。