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能因(のういん)

988年~? 平安時代の僧・歌人。中古三十六歌仙の一人とされる。各地を旅し、多くの和歌を残した。『古今著聞集』巻5によれば、伊予国(愛媛県)を訪れた時、「天川苗代水にせきくだせあまくだります神ならば神」と詠んで、雨を降らせたという。日蓮大聖人「報恩抄」能因を「破戒の法師」(319㌻)と呼ばれているが、これは、中世においては、和歌は「狂言綺語(道理に合わない言葉と巧みに飾った言葉)」に当たり、僧侶にとってふさわしくないという考え方が一部にあったためである。