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回向(えこう)

廻向とも書く。自ら仏道修行をして得た功徳を回[めぐ]らし向けること。諸経典ではさまざまな回向が説かれるが、その意義は、一つには低い目的観から高い目的観へ転換すること、また一つには自身が仏法を実践・修行した功徳を他の人々へ手向けることが挙げられる。また、故人に対して生前に積んだ功徳に追加して、遺族などが功徳回向することを追善という。法華経化城喩品第7には、「願わくは此の功徳を以て|普く一切に及ぼし|我等と衆生とは|皆共に仏道を成ぜん」(法華経298㌻)と説かれている。回向の究極的な目的は、あらゆる人々の目的観を高め、万人成仏の教えである法華経を説き聞かせてすべての人々を成仏させることである。▷追善