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尼犍外道の塔(にけんげどうのとう)

『付法蔵因縁伝』巻5にある。尼犍外道とは、尼犍(ニルグランタジュニャープトラ)を祖とするジャイナ教徒のこと。かつて月氏国カニシカ王が道を歩いている時に、外道の塔が七宝で荘厳されているのを見て、如来の塔と思い、香華をそえ、偈を読んでその徳をたたえた。すると、その塔が崩れ落ちてしまった。王は驚いたが、ある人が「それは外道の塔です。王の福徳がすばらしいので、王の礼拝で破壊したのです」と教えたという。このカニシカ王は、熱心な仏教信者で、戦争の結果、馬鳴菩薩を手に入れて、大いに歓喜したという。