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宗教の五綱(しゅうきょうのごこう)

五義ともいう。日蓮大聖人が定められた、仏法を広めるにあたって心得るべき五つの規範。「教」「機」「時」「国」「教法流布の先後」の五つをいう。「教機時国抄」(438㌻以下)、「顕謗法抄」(453㌻)で具体的に明かされている。大聖人五義について「此の五義を知って仏法を弘めば日本国の国師と成る可きか」(440㌻)、「行者仏法を弘むる用心を明さば、夫れ仏法をひろめんと・をもはんものは必ず五義を存して正法をひろむべし」(453㌻)と仰せである。
①教を知る。一切の宗教・思想、なかんずく仏教の教えについて、その内容の正邪・浅深・優劣を判別し、どの教えが最高の教えであるかを知ること。②機を知る。機は人々の仏教を信じ理解する能力。人々がどのような教えを求め、どの法によって教化される衆生であるかを知ること。③時を知る。現在がいかなる時であるかを知り、その時にどの法を広めるべきかを知っていること。④国を知る。それぞれの国や社会、地域によって異なる自然的、文化的状況の相違に応じて弘教の方法を考え、教えを展開していくこと。⑤教法流布の先後を知る。先に広まった教えを知って、後に広めるべき教えを知ること。後に広める教えは、先に広まった教えよりも優れた教えでなければならない。