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「撰時抄」(せんじしょう)

建治元年(1275年)、日蓮大聖人が身延で御述作になり、駿河国西山(静岡県富士宮市西山)に住んでいた由井[ゆい](由比)氏に送られた書(256㌻)。五大部の一つ。本抄で大聖人は、仏の教えは衆生機根ではなく時に従って説かれることを確証されていく。その中で、大集経[だいじっきょう]に説かれる五五百歳[ごごひゃくさい]に基づき、当時が闘諍言訟[とうじょうごんしょう]・白法隠没[びゃくほうおんもつ]の末法にあたることを明らかにされる。そしてこの末法に、法華経の肝心である南無妙法蓮華経の大白法が日本および全世界に流布することは疑いないのであり、その主体者こそが大聖人御自身であるとして、「日蓮は閻浮第一法華経の行者なり」(266㌻)等と宣言されている。▷三度のかうみょう