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悪知識(あくちしき)

誤った教えを説いて人々を迷わせ、仏道修行を妨げたり不幸に陥れたりする悪僧・悪人のこと。善知識に対する語。悪友ともいう。漢語の「知識」とはサンスクリットのミトラの訳で、「友」とも訳され、友人・仲間を意味する。涅槃経には「菩薩は悪象等に於いては心に恐怖すること無く、悪知識に於いては怖畏の心を生ず。悪象に殺されては三趣に至らず、悪友に殺されては必ず三趣に至る」とある。この文は、修行者は凶暴な象に殺されるというような外的な損害よりも、正法を信じる心を破壊し、仏道修行を妨げ、三悪道に陥れる悪知識こそ恐れなければならないことを述べている。日蓮大聖人は、悪知識に従わないように戒められるとともに、悪知識をも自身の成仏への機縁としていく強盛な信心に立つべきであると教えられている。さらには、御自身を迫害した権力者や高僧たちを自身の真価を現すのを助けた善知識と位置づけられている(917㌻)。▷善知識