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涅槃経(ねはんぎょう)

大般涅槃経[だいはつねはんぎょう]の略。釈尊の臨終を舞台にした大乗経典。中国・北涼の曇無讖[どんむしん]訳の40巻本(北本)と、北本をもとに宋の慧観慧厳・謝霊運[しゃれいうん]らが改編した36巻本(南本)がある。釈尊滅後の仏教教団の乱れや正法を誹謗する悪比丘を予言し、その中にあって正法を護持していくことを訴えている。また仏身が常住であるとともに、あらゆる衆生仏性があること(一切衆生悉有仏性[いっさいしゅじょうしつうぶっしょう])、特に一闡提[いっせんだい]にも仏性があると説く。天台教学では、法華経の後に説かれた涅槃経は、法華経利益にもれた者を拾い集めて救う教えであることから、捃拾教[くんじゅうきょう]と呼ばれる。つまり、法華経の内容を補足するものと位置づけられる。異訳に法顕[ほっけん]による般泥洹経[はつないおんぎょう]6巻がある。▷般泥洹経/一闡提/涅槃宗/一切衆生悉有仏性/貧女の譬え