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慧観(えかん)

4~5世紀、生没年不詳。中国・南北朝時代の宋の僧。鳩摩羅什の弟子。南三北七のうち南地の一人。教判論の嚆矢となる五時教判を立て、法雲もこれを用いた。この五時では、まず諸経典を頓教(真実を直ちに説く教え)、それ以外の諸経を漸教(順を追って高度な教えに導いていく教え)に分け、頓教華厳経とする。さらに漸教を①三乗別教阿含経など)②三乗通教般若経など)③抑揚教(維摩経など)④同帰教(法華経など)⑤常住教(涅槃経など)に分ける。また、慧厳や謝霊運[しゃれいうん]らと曇無讖訳の涅槃経40巻(北本)を一部修正・再編集し、36巻本とした。これは南本と呼ばれ南朝に普及した。▷涅槃経/南三北七/教相判釈