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鳩摩羅什(くまらじゅう)

344年~413年(一説に350年~409年)。サンスクリットのクマーラジーヴァの音写。中国・後秦の訳経僧。羅什三蔵とも呼ばれる。インド出身の貴族である父・鳩摩羅琰[くまらえん](クマーラヤーナ)と亀茲[きじ]国(クチャ)の王族である母との間に生まれ、諸国を遍歴して仏法を学ぶ。後秦の王・姚興[ようこう]に迎えられて長安に入り、その保護の下に国師の待遇を得て、多くの訳経に従事した。訳経数は『開元釈教録』によると74部384巻にのぼり、代表的なものに妙法蓮華経維摩経大品般若経『大智度論』などがある。その訳文は内容が秀抜で文体が簡潔なことから、後世まで重用された。前代の訳を古訳、後代の玄奘らの訳を新訳というのに対して、羅什らの訳は旧訳[くやく]と呼ばれる。▷旧訳/新訳/妙法蓮華経/亀茲国