❶受戒の際に授けられる名。法名、法号、法諱ともいう。日蓮大聖人はしばしば、日興上人や妙一[みょういち]などの出家・在家の門下に、日や妙の字を入れた2字の法号を与えられた。これに基づいて、門下でも同様の戒名がつけられている。
❷死後つけられた法名をいう。中世末期から江戸時代にかけて、法名の下に居士・大姉など、上に院殿号などの言葉を足して荘厳な名にすることが行われるようになった。現代では、それが供養の多寡に応じて行われることが、社会問題にもなっている。また戒名をつけることで成仏を保証するという誤った主張をして利益を貪ろうとする聖職者もいるが、本来、戒名と成仏との間に関係はない。成仏はあくまで、本人の生前の信心修行によるのであり、それを補う追善回向も正しい信心を持つ人の真心の祈念によるのである。