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異体同心(いたいどうしん)

外見の姿形は異なっていても内面は同じ心であること。異体とは広げていえば、年齢・性別・職業・社会的地位などが違うことも含まれる。同心とは、同じ目的観、価値観をもっていること。中国古代の故事に基づく語。『史記』などによれば、殷[いん]の紂王[ちゅうおう]の悪政に苦しんだ周の武王らは、寄せ集めの軍で姿形はばらばらであるものの、心は一つで異体同心であったため、極めて少人数であったにもかかわらず、大国の軍で武具が揃い調っているが、心がばらばらな同体異心の殷の軍隊を破って勝ったという。日蓮大聖人は「異体同心事」(1463㌻)などで、日蓮門下は既成勢力と比べると少数ではあるが、「一つ心」すなわち大聖人と同じ心であり、法華経の信心で団結しているので、大事を成し遂げることができ、妙法広宣流布していくことができると門下を激励されている。