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阿闍世王(あじゃせおう)
釈尊在世から滅後にかけてのインドの大国・
マガダ国の王。阿闍世はサンスクリットのアジャータシャトルの音写。未生怨[みしょうおん]と訳す。本来の意味は「敵対する者が生じない(無敵)」との意だが、
中国・日本では「生まれる前からの敵」という解釈が広がった。
釈尊に敵対していた
提婆達多にそそのかされ、
釈尊に
帰依し外護していた父・
頻婆娑羅王[びんばしゃらおう]を幽閉して死亡させ、自ら王位についた。その後も、
提婆達多にそそのかされて、象に酒を飲ませてけしかけさせ、
釈尊や弟子たちを殺そうとしたが失敗した。後に父を殺した罪に悩み、全身に大悪瘡(悪いできもの)ができた。その際、大臣・
耆婆[ぎば]の勧めによって
釈尊のもとに赴き、その説法を聴聞し、
釈尊が月愛
三昧に入って放った光が阿闍世に届くと、彼をむしばんでいた大悪瘡はたちどころに癒えたという。
釈尊滅後、第1回の仏典結集を外護したと伝えられる。▷
耆婆