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一音教(いっとんきょう)

釈尊一代の教えはさまざまな説かれ方をするが、実は同一の音声つまり同一の教えから出たものであるとする立場。一音説法とも。維摩経巻上の仏国品第1には、仏は終始、同一の音声によって説法をするが、衆生機根によって理解にさまざまな差異が生ずる(一音異解)とある。中国では教判の一種として用いられ、多種多様に分かれた仏教各派の諸説も帰するところ仏の一音であるとした。天台大師智顗の時代には、『法華玄義』巻10上で、南三北七のうち北地の禅師(未詳)の一人が一音教教判を用いたとされる。▷南三北七