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天台大師(てんだいだいし)

538年~597年。智顗[ちぎ]のこと。中国の陳・隋にかけて活躍した僧で、中国天台宗の事実上の開祖。智者大師[ちしゃだいし]とたたえられる。大蘇山にいた南岳大師慧思に師事した。法華経薬王菩薩本事品第23の文によって開悟し、後に天台山に登って円頓止観を覚った。『法華文句』『法華玄義』『摩訶止観』を講述し、これを弟子の章安大師灌頂がまとめた。これらによって、法華経を宣揚するとともに観心の修行である一念三千の法門を説いた。存命中に陳の宣帝[せんてい]と後主叔宝[しゅくほう]、隋の文帝[ぶんてい]と煬帝[ようだい](晋王楊広[ようこう])の帰依を受けた。
【薬王・天台・伝教】日蓮大聖人の時代の日本では、薬王菩薩天台大師として現れ、さらに天台の後身として伝教大師最澄が現れたという説が広く知られていた。大聖人もこの説を踏まえられ、「和漢王代記」では伝教大師を「天台の後身なり」(611㌻)とされている。▷天台宗/章安大師/伝教大師/南岳大師/薬王菩薩/一念三千/観心/一心三観/『摩訶止観』/『法華文句』/『法華玄義』/五時/化儀の四教/化法の四教/三因仏性/四種三昧/変毒為薬/前三後三/六即/五重玄義/三諦/三妙合論/三惑/本因妙/本果妙/天台山/国清寺