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一心三観(いっしんさんがん)

一心に空仮中の三諦が円融し相即していることを観ずる修行。天台大師智顗が立てた観心の法門。天台大師はこれを止観正行とした。別教で立てる次第三観に対して円融三観ともいう。別教においては、まず空観を修し、三惑のうちまず見思惑を断じて空諦の理を証し、次に仮観を修し、塵沙惑を破して仮諦の無量の法門を知り、そののちに中道観を修し、無明惑を断じて中道の理を証する。このように、空・仮・中の三諦を次第に観じていくので次第三観という。これに対して天台大師一心三観では三観を修行の初めから直ちに修するので不次第三観という。修行の時間も隔たりがなく、中道の理を証するにも空間の隔たりがなく、一境の上に三諦が相即し、三観も一心に円融するので円融三観という。この一心三観を基盤として一念三千の法門が展開される。▷一念三千/三諦/三惑