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下種(げしゅ)

「種を下ろす」と読み下す。仏が衆生成仏に導くさまを植物の種まき・育成・収穫に譬えた、種熟脱三益のうち最初の種。成仏の根本法である仏種を説いて、人々に信じさせること。仏が衆生仏種を下ろすという利益を「下種益」という。釈尊が生涯にわたって説き残した膨大な諸経典には、仏種が明かされていない。唯一、法華経本門如来寿量品第16で「我本行菩薩道(私は久遠の昔から菩薩道を実践してきた)」(法華経482㌻)と述べて、釈尊自身が凡夫であった時に菩薩道を実践したことが、自身の成仏の根本原因であったと示しているだけである。日蓮大聖人は、寿量品の文の底意として示された仏種を覚知し拾い出して、それが南無妙法蓮華経であると説き広めて末法の人々に下種する道を開かれた。それ故、大聖人下種教主であり、末法の御本仏として尊崇される。▷我本行菩薩道/仏種