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六波羅蜜経(ろっぱらみつきょう)

大乗理趣六波羅蜜多経[だいじょうりしゅろっぱらみったきょう]の略。中国・唐の般若訳。10巻。般若経典の一つ。般若経典を仏の智慧を説いた真実の経典と位置づけるとともに、経典・論書などを学ぶ力がない者のために呪文(陀羅尼)が説かれたとする。菩薩が実践すべき6種の修行(六波羅蜜)が説かれている。空海弘法)は自著『弁顕密二教論』で、この経典の「大乗般若は猶熟蘇の如く、総持門(=密教の呪文)は譬えば醍醐の如し……総持門は契経等の中に最も第一たり」などの文を引き、「中国の学者らは争って密教に説かれる醍醐味を盗み、それぞれが自宗を醍醐味と名づけた」(通解、244㌻などで引用)と述べている。日蓮大聖人はこの点を法華誹謗として諸御抄で厳しく糾弾されている(222㌻、277㌻以下など)。▷六波羅蜜