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経巻(きょうがん)

経を記した書物、特に巻物の形態のもの。インドでは椰子の一種であるターラ樹の葉(多羅葉)などを整形したもの、西域では白樺などの樹皮を整形したものに記され、紐でとじ合わせられていたが、中国では布や紙に記され、それを軸に巻いた巻子本が一般的だったので、経を記された書物が経巻と呼ばれる。経巻受持読誦・解説・書写して供養することに功徳があると、諸経典に説かれている。平家一族が厳島神社に納めた法華経などは、手の込んだ意匠や絵画を描いた料紙を用い、金・銀・宝石などで軸も装飾するなど、贅をこらした芸術作品となっている。また、経巻そのものにも神秘的な力があるとして信仰の対象となった。