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蒼蠅驥尾に附して万里を渡り(そうようきびにふしてばんりをわたり)

「立正安国論」の文。同抄に「蒼蠅驥尾に附して万里を渡り碧蘿松頭に懸りて千尋を延ぶ」(26㌻)とある。わずかしか飛べない青バエは駿馬[しゅんめ]の尾に付いて万里を渡り、緑のつる草は松の枝先に掛かって千尋[じん]の高さにまで伸びていくこと。凡人でもすぐれた先達につき従えば相当の事をなしうることを譬えている。「安国論」では、小さな器量であっても大乗の仏法を学んだことにより、仏法の是非善悪をわきまえる者となったことを示している。