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二乗(にじょう)

六道輪廻[ろくどうりんね]から解脱[げだつ]して涅槃[ねはん]に至ることを目指す声聞乗[しょうもんじょう]と縁覚乗[えんがくじょう]のこと。①声聞は、サンスクリットのシュラーヴァカの訳で、仏の声を聞く者との意。仏の教えを聞いて覚りを開くことを目指す出家の弟子をいう。②縁覚は、サンスクリットのプラティエーカブッダの訳で、辟支仏[ひゃくしぶつ]と音写する。独覚[どっかく]とも訳す。声聞の教団に属することなく修行し、涅槃の境地を目指す者をいう。
「乗」は乗り物の意で、成仏へと導く教えを譬えたもの。もとは声聞縁覚それぞれに対応した教えが二乗であるが、この教えを受ける者(声聞縁覚)についても二乗という。大乗の立場からは、自身の解脱だけを目指し他者の救済を図らないので非難された。▷声聞/縁覚