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阿那律(あなりつ)

サンスクリットのアニルッダの音写。阿〓(少に兔)楼駄[あぬるだ]などとも音写する。如意などと訳す。釈尊声聞十大弟子の一人。天眼第一といわれた。釈迦族の迦毘羅衛国(カピラヴァストゥ)の出身で、釈尊の従弟にあたる。釈尊の説法中にいねむりをして叱責され、それに発奮して眠りを断って眼病を患った。釈尊は名医・耆婆[ぎば]に治療させたが、眠りを断っているため効果がなく、ついに盲目となった。しかし、この縁によって天眼を得ることができたといわれる。また過去世で弗沙仏[ふっしゃぶつ]の末法に飢饉があった時、飢えた辟支仏に稗の飯を施したことにより宝を得て、その後、91劫の間、人界天界に生まれて果報を得て、貧しさを味わうことなく願いはみな意のごとくなったという。法華経五百弟子受記品第8で普明如来[ふみょうにょらい]という記別を受けている。▷耆婆/十大弟子/五眼