法相宗の教判。衆生が本来そなえている、仏教を信じ理解し実践する宗教的能力を五つに分類する。五性の「性」は「姓」とも書く。
①定性声聞(声聞定姓)は、声聞の覚りである阿羅漢果を得ることが決まっているもの。②定性縁覚(独覚定姓)は、縁覚の覚りである辟支仏果が得られると決まっているもの。③定性菩薩(菩薩定姓)は、菩薩の覚りである仏果が得られると決まっているもの。④不定性(不定種性、三乗不定姓)は、以上の三乗の修行とその結果が定まっていないもの。⑤無性(無種性、無姓有情)は、覚りの果を得ることができないもの。これらのうち、成仏すなわち仏果が得られるのは③④のみとなる。