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法相宗(ほっそうしゅう)

玄奘[げんじょう]が唐に伝えた唯識[ゆいしき]思想に基づき、その弟子の基[き](慈恩)が確立した学派。法相とは、諸法(あらゆる事物・事象、万法とも)がそなえる真実の相のことで、この法相のあり方を明かすので法相宗という。また、あらゆる事物・事象は心の本体である識が変化して仮に現れたもので、ただ識のみがあるとする唯識思想を主張するので唯識宗ともいう。日本には4次にわたって伝来したが、653年に道昭[どうしょう]が唐に渡って玄奘から学び、帰国して飛鳥の元興寺[がんごうじ]を拠点に弘通したのが初伝とされる。奈良時代には興福寺[こうふくじ]を拠点に隆盛した。▷玄奘/基/唯識/元興寺/興福寺