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願兼於業(がんけんおごう)

「願[がん]、業[ごう]を兼[か]ぬ」と読み下す。妙楽大師湛然『法華文句記』巻8で、法華経法師品第10の文を解釈した文。悪道・悪世に苦しむ人を救うため、自ら願って悪道・悪世に生まれてくること。願は願生、業は業生のこと。業生とは、過去世の善悪の業によってその報いとして相応の世界・国土に生まれることであり、願生とは、衆生救済・仏法弘通誓願によって目指す世界・国土に生まれること。なお、法師品には、菩薩がすでに積んだ仏道修行の功徳によって善処に生まれてくるところを、民衆救済のために願って悪世に生まれ、苦悩する民衆の中で仏法を弘通することが説かれている(法華経357㌻)。▷業/誓願