末法の衆生を救済する教えを説く人。法華経如来神力品第21には、上行菩薩を上首とする地涌の菩薩が釈尊から滅後悪世における法華経の弘通を託され、現実世界で人々の闇を照らす太陽や月であると説かれている(法華経575㌻)。これは、上行菩薩が釈尊滅後に釈尊に代わって人々を成仏へと教え導く「末法の教主」であることを示している。
そして日蓮大聖人が末法において法華経の行者として他に先駆けて忍難弘通されたことは、大聖人が上行菩薩にあたり、ひいては大聖人こそが末法の教主であられることを示している。また大聖人が弘通される法華経とは、法華経の肝心であり、諸仏が成仏する根本原因である妙法、すなわち本因妙の法である。大聖人は、この本因妙の法を凡夫である御自身の生命に護持し、それを南無妙法蓮華経であると明らかにして、人々にも教え広められた。それ故、「本因妙の教主」ともいわれる。▷本因妙/教主/教主釈尊