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附仏法の外道(ふぶっぽうのげどう)

『摩訶止観』巻10上に説かれる三種の外道の一つ。附仏教、附仏法成の外道ともいう。仏法を曲解して誤った教えを説く者。仏法に基づいて教えを立てているが、その本質が外道である者。部派の一つ、犢子部[とくしぶ]の主張者は仏典を読んで破仏法の説を立てたが、これは仏法に付して起こる邪見であるから附仏法の外道という。同書に「邪人の不同を、又た三と為す。一に仏法の外の外道、二に附仏法の外道、三に仏法を学して外道と成る……二に附仏法の外道とは、犢子方広自[よ]り起こる。自ら聡明なるを以て、仏の経書を読んで、一見を生ず。仏法に附して起こるが故に、此の名を得」とある。また「一代聖教大意」には「外道に三人あり、一には仏法外の外道〈九十五種の外道〉・二に附仏法成の外道小乗〉・三には学仏法の外道妙法を知らざる大乗外道なり〉」(403㌻)と説かれている。▷犢子/方広