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毘紐天(びちゅうてん)

毘紐はサンスクリットのヴィシュヌの音写。韋紐天[いちゅうてん]とも。バラモン教では大梵天(マハーブラフマー)、帝釈天(インドラ)に並ぶ主要神とされる。仏教では色界四禅天のうち第三禅天の中の第3天(色界十八天のうち第9天)に住むとされる。「開目抄」に「月氏の外道・三目八臂の摩醯首羅天毘紐天・此の二天をば一切衆生の慈父・悲母・又天尊・主君と号す」(187㌻)と述べられている。その形像は『大智度論』巻2に「韋紐天の如きは〈秦には遍悶と言う〉、四臂にして貝を捉り、輪を持し、金翅鳥に騎る」とある。その働きは同論巻10に「世間に大富貴・名聞の人有るは、皆是れ我が身の威徳力の分なり。我は能く世間を成就し、亦能く世間を破壊す。世間の成ると壊るとは、皆是れ我が作なり」とある。▷三界/天界