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阿含部(あごんぶ)

天台宗教判である五時の中の第2である阿含時に説かれた諸経の総称。釈尊華厳経を説いた後の12年間、波羅奈国(ヴァーラーナシー)の鹿野苑などで説いたとされる。化法(教えの内容)の面からいえば、四諦の法門などが説かれており、経・律・論からなる三蔵教である。化儀(説き方)の面からいえば、誘引のための漸教である。阿含部のうち、漢訳されて現存する主要なものは、四阿含である。これは、パーリ語経典の五つのニカーヤ(部)のうちの、小部を除く4部におおむね対応する。長阿含経22巻(後秦の仏陀耶舎[ぶっだやしゃ]・竺仏念[じくぶつねん]の共訳)、中阿含経60巻(東晋の瞿曇僧伽提婆[くどんそうぎゃだいば]訳)、雑阿含経50巻(魏晋南北朝時代の宋の求那跋陀羅[ぐなばっだら]訳)、増一阿含経51巻(東晋の瞿曇僧伽提婆訳)、合わせて183巻に別訳雑阿含経16巻(訳者不明)を加えると199巻となる。▷五時/阿含経