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円智房(えんちぼう)

生没年不詳。安房国(千葉県南部)清澄寺の住僧。詳細は不明だが、日蓮大聖人に敵対した。大聖人「報恩抄」に(故道善房は)「地頭景信がをそろしさといゐ・提婆・瞿伽利に・ことならぬ円智・実成が上と下とに居てをどせしをあながちにをそれて・いとをしと・をもうとしごろの弟子等をだにも・すてられし人なれば後生はいかんがと疑わし」(323㌻)、「清澄寺大衆中」に「円智房の御弟子に観智房の持ちて候なる宗要集かしたび候へ」(893㌻)、「種種御振舞御書」に「円智房は清澄の大堂にして三箇年が間一字三礼の法華経を我とかきたてまつりて十巻をそらにをぼへ、五十年が間一日一夜に二部づつよまれしぞかし、かれをば皆人は仏になるべしと云云、日蓮こそ念仏者よりも道義房と円智房とは無間地獄の底にをつべしと申したりしが此の人人の御臨終はよく候いけるか・いかに」(923㌻)と述べられている。以上から、学問的には優れていたようだが、謗法を犯し、現罰を受けて悲惨な死に方をしたことがうかがえる。▷清澄寺/実成房