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円頓の大乗別受戒の大戒壇(えんどんのだいじょうべつじゅかいのだいかいだん)

伝教大師最澄が従来の戒壇に代わるものとして建立を目指した大乗戒壇のこと。円頓とは、円満にして欠けることなく速やかに成仏するという法華経の教えをいう。大乗の菩薩戒には①摂律儀戒(仏の定めた戒律のすべてを受持して悪を防ぐこと)②摂善法戒(あらゆる善を行うこと)③摂衆生戒(あらゆる人々を教え導きその利益のために力を尽くすこと)の三つ(三聚浄戒という)がある。この三つをまとめて受けることを通受、摂律儀戒だけを受けることを別受という。出家者の場合、通常は別受では律(ヴィナヤ、出家教団の規則)を受けるが、伝教大師別受戒において大乗梵網経に説かれる戒(十重禁戒四十八軽戒)を用いることを主張した。この大乗戒を授ける場所が円頓戒壇である。