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梵網経(ぼんもうきょう)

梵網経盧舎那仏説菩薩心地戒品第十[ぼんもうきょうるしゃなぶっせつぼさつしんじかいほんだいじゅう]の略。中国・後秦の鳩摩羅什訳と伝えられるが、現在の研究では中国撰述とされる。大乗菩薩戒の聖典。天台大師智顗華厳経結経としたことから、結経梵網経とも呼ばれる。上下2巻からなり、上巻には菩薩の階位の十住十行十回向十地の四十法門が、下巻には菩薩戒の十重禁戒[じゅうじゅうきんかい]、四十八軽戒[しじゅうはちきょうかい]が説かれている。上下巻とも大乗の菩薩のために説かれたもので、日本・中国を通じて重要視され多くの注釈書がつくられた。伝教大師最澄は本経に基づいた大乗戒による戒壇の建立を目指し、『四分律』に基づく具足戒小乗戒として廃し、それに代わる授戒制度を創出した。▷十重禁戒/四十八軽戒/戒