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因果俱時(いんがぐじ)

一念に因と果が俱[とも]に同時にそなわること。因果異時に対する語。ここでいう「因」とは、成仏の因となる修行(因行)、またその段階にある九界衆生の生命境涯をさす。また「果」とは、仏果、仏界の生命境涯をさす。すなわち因果俱時とは、生命には本来的に九界仏界がそなわっているということであり、十界具足と同義。一念(瞬間の生命)に因果がそなわるので因果一念ともいう。法華経以外の諸経では、長遠な期間にわたる修行の中で善を行い、成仏の因を積み重ねて成仏することが説かれる。この場合、因と果が異なる時にあり因果異時の教えである。それに対して法華経では、本門の底意からいえば、万人に仏界が本来そなわっていて直ちに開き現すことができると説かれ、因果俱時が明かされている。われわれ凡夫は本来、因果俱時であり、日蓮大聖人因果俱時妙法曼荼羅に顕された御本尊を信じ実践する時、仏界が開き現されて成仏することができる。▷因果