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悪人成仏(あくにんじょうぶつ)
悪人が
成仏すること。悪人とは煩悩に支配されて
悪業を犯してしまう人をいう。具体的には
五逆罪や
十悪(業)などを犯したり、
謗法を重ねたりする者をいう。
悪人成仏とは、そのような悪人でも、
法華経に縁すれば、ついには
法華経を信受し必ず
成仏できることをいう。
法華経以外の諸経では、悪人はいくつもの生の中で、種々の煩悩を段階的に断じ、
悪業を止め
善業を行い、長遠な期間、仏道修行を積み重ねて、はじめて
成仏すると説く。これに対して
法華経では、万人に
仏界が本来そなわっており、それを開くことによって直ちにその身のままで
成仏できることを明かす。
法華経提婆達多品第12では、諸経でこれまで極悪人とされてきた
提婆達多にも、
天王如来の授記がなされ
悪人成仏が示された。あらゆる人は本来的に生命のうちに悪を内包している。よって
提婆達多の
成仏で
悪人成仏が示されたことで、あらゆる人の
成仏がはじめて保証されたといえる。▷
五逆罪/
十悪/
提婆達多/
謗法/授記