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悪鬼入其身(あっきにゅうごしん)

「悪鬼は其[そ]の身に入[い]って」と読み下す。法華経勧持品第13の二十行の偈[げ]の文(法華経419㌻)。三類の強敵の様相を説いた中の一句。三類の強敵には悪鬼が身に入り、正法を護持する者を迫害すると説かれる。人々が心の中の煩悩や邪見という悪に身を支配され、薬叉など鬼神[きじん]の様相を示し、正法およびそれを護持する人に敵対・反発するさまを表現している。日蓮大聖人は、悪鬼のうち最も根本で手ごわいものを第六天の魔王他化自在天)とみなされている。「治病大小権実違目」(997㌻)では、その第六天の魔王は、生命にそなわる根源的な煩悩である「元品[がんぽん]の無明[むみょう]」の現れであると明かされている。▷元品の無明/三類の強敵/第六天の魔王/鬼神