リンク表示:

勧持品(かんじほん)

妙法蓮華経の第13章(法華経411㌻)。正法華経勧説品に相当する。摩訶波闍波提[まかはじゃはだい]・耶輸陀羅[やしゅだら]をはじめとする比丘尼への授記と声聞や菩薩たちによる滅後の法華経弘通の誓いが説かれる。
声聞比丘比丘尼は他の国土での弘通を誓ったが、菩薩たちはこの裟婆世界での弘通を誓う。菩薩たちの誓いの偈[げ](韻文)は、20行からなるので、二十行の偈と呼ばれる。そこには、三類の強敵が出現しても難を忍んで法華経弘通することが誓われている。
勧持品常不軽菩薩品第20に説かれる逆縁の人への法華経弘通は、滅後悪世における折伏による弘通の様相を示すものと位置づけられ、勧持不軽の行相という。
日蓮大聖人は、滅後末法において法華経弘通され、この勧持品の経文通りの難にただ一人遭っていることによって法華経身読していると自覚され、御自身が真の法華経の行者であることの証明とされた。それは、滅後弘通を託された地涌の菩薩、とりわけその上首上行菩薩であるとの御自覚となった。さらに、勧持品のように滅後悪世で三類の強敵に遭いながらも弘通していることは、不軽品に説かれる不軽菩薩が忍難弘通しついに成仏して釈尊となったように、成仏の因であることを確信される。法華経身読によって、末法の一切衆生を救う教主としての御確信に立たれたのである。このことから、大聖人末法の御本仏であると拝される。▷三類の強敵/折伏/身読/二十行の偈