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肉橋(にくきょう)

身を台として高座に登らせることを意味し、御書では吉蔵嘉祥)が天台大師智顗に帰服するさまとして用いられている(216㌻ほか)。中国・唐の道暹[どうせん]の『法華文句輔正記』巻3では、吉蔵が法盛[ほうじょう]という沙弥(見習い僧)に論破され、その結果、法盛の師である天台大師に仕え、「身を肉隥と為して(背中をスロープにして)」天台大師を高座に登らせたという伝承を載せている。日本天台宗の蓮剛[れんごう](平安初期)が著した『定宗論』では、これを踏まえて「嘉祥大徳吉蔵のこと)、首を座下に接し、自ら肉橋と称し、道を天台に稟く」と述べている。