リンク表示:

華厳宗(けごんしゅう)

華厳経に基づく学派。中国・唐の初めに杜順[とじゅん]が一宗を開いたとされ、弟子の智儼[ちごん]が継承し、法蔵が大成した。日本では740年、審祥[しんじょう]が初めて華厳経を講じ、日本華厳宗を開いたとされる。第2祖の良弁[ろうべん]は聖武天皇帰依を得て、東大寺を建立し別当になった。華厳の思想は時代や地域によって変容してきたが、鎌倉時代に華厳教学を体系化した凝然[ぎょうねん](1240年~1321年)によれば、五教十宗教判によって華厳宗の教えを最高位の円教とし、その特徴を事事無礙法界[じじむげほっかい](あらゆる事物・事象が互いに妨げることなく交流しあっているという世界観)とした。