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止観業(しかんごう)

摩訶止観業[まかしかんごう]のこと。『摩訶止観』を学習する課程。伝教大師最澄が定めた、天台宗の学生の履修課程の一つ。伝教大師天台宗に割り当てられた年分度者の二人にそれぞれ止観業遮那業[しゃなごう]という二つの異なる課程を修学させた。止観業とは、『山家学生式』に「止観業の者は、年々毎日法華・金光・仁王・守護・諸大乗等、護国の衆経を長転長講せしめん」「止観業には具さに四種三昧を修習せしめん」とある。四種三昧とは、常坐・常行・半行半坐・非行非坐の4種の三昧行をいう。これらの学問および修行をする者を止観業の者といった。12年間の修行を終えた両業の卒業者については、同じく『山家学生式』に「凡そ両業の学生一十二年所修所学、業に随いて任用せん。能く行い能く言うは常に山中に住して、衆の首と為し、国の宝と為す。能く言いて行うこと能わざるは国の師と為し、能く行いて言うこと能わざるは国の用と為す」とある。▷年分度者/四種三昧/遮那業/延暦寺