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三周の声聞(さんしゅうのしょうもん)

法華経迹門における仏の三周[めぐ]りの説法(法説・譬説・因縁説)によって、開三顕一の法門を理解し成仏記別を受けた声聞のこと。法華経会座において開三顕一の法門を聞いた声聞の中には、法理を聞いてすぐに覚りを得ることができる上根の声聞もいれば、法理を聞いてもよく分からず譬え話や因縁話を聞いて初めて分かる中根・下根声聞もいた。故に同じ法華経迹門の法理を聞いても、覚りには前後があり、法説・譬喩説・因縁説の三つの説法にしたがって、それぞれの法を聞いて得道したのである。
①最初に、方便品第2の開三顕一の法理を聞いて、智慧第一といわれる舎利弗が法門を理解し、譬喩品第3において華光如来という記別を受けた。②中根の声聞は、その法理を聞いても理解することができなかったため、釈尊譬喩品三車火宅の譬えをもって説き明かした。この譬喩説を聞いて理解したのが神通第一といわれた目犍連[もっけんれん]、頭陀第一の迦葉、論議第一といわれた迦旃延[かせんねん]、解空第一の須菩提[しゅぼだい]の四大声聞であり、授記品第6で記別を受けた。③それでもまだ理解できなかった下根声聞は、化城喩品第7の三千塵点劫以来の因縁を聞いて初めて理解することができた。これが富楼那[ふるな]や阿難羅睺羅[らごら]などの弟子である。下根声聞五百弟子受記品第8・授学無学人記品第9において記別が与えられた。▷開三顕一