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因縁(いんねん)

❶原因・理由のこと。果を生じる内的な直接の原因を因といい、因を助けて果に至らせる外的な間接の原因を縁という。因と縁が合わさって(因縁和合)、果が生まれ報となって現れる。仏法の生命論では、一切衆生の生命にそなわる十界のそれぞれが因で、それが種々の人やその教法にふれることを縁として、十界のそれぞれの果報を受けるとする。衆生仏界は、仏の真実の覚りの教えである法華経を縁として、開き現され、成仏果報を得る。
❷四縁(因縁・次第縁・縁縁・増上縁)の一つ。果を生む直接的原因のこと。狭義の因の意。
❸説法教化の縁由。なお法華経迹門で、化城喩品第7における過去世からの釈尊声聞の弟子たちとのつながりを明かし因縁を示した教説を聞いて正法を信解し、未来における成仏の保証を与えられた人々を、因縁周という。▷化城喩品
❹経典をその形式・内容に基づき12種類に分類した十二部経の一つ。ニダーナの訳。縁起ともいう。説法教化の縁由を示すもの。▷十二部経
因縁釈のこと。天台大師智顗『法華文句』法華経の文々句々を解釈するために用いた4種の解釈法(四種の釈)の一つ。四悉檀によって仏と衆生との関係、説法の因縁を釈したもの。▷四悉檀